外国税額控除 ~相続税の税額控除⑥~

外国にある財産を相続し、相続税に相当する税金を納めている場合には、一定の金額を相続税額から控除出来る「外国税額控除」という制度があります。ここでは「外国税額控除」を使うための適用要件や具体的な計算方法についてわかりやすく解説していきます。

 

 

1. 制度の趣旨

 

外国に相続財産がある場合、国によっては相続税に相当する税金を納める必要があります。

そうなると一つの財産に対して日本の相続税と外国の相続税に相当する税金が二重で課税されることになります。そのため、このような二重課税を回避する趣旨から外国税額控除の制度が設けられています。

 

 

2. 適用要件

 

外国税額控除の適用を受けることが出来るのは、以下の要件を満たす人となります。

 

①相続又は遺贈により国外の財産を取得していること

 

②国外の財産について、その国で相続税に相当する税を課税されていること

 

そのため、国内の財産のみが課税される居住制限納税義務者・非居住制限納税義務者は外国税額控除の適用を受けることが出来ません。

(納税義務者について詳しく知りたい方は「相続税の納税義務者と納税義務の範囲」をご参照下さい。)

 

 

3. 控除額の計算方法

 

以下のいずれか少ない金額を相続税額から控除することが出来ます。

 

  • 外国で納めた相続税に相当する税額
  • 日本の相続税額×外国にある財産の額/その相続人の相続財産の額

 

なお、外国税額控除の適用にあたり現地通貨で支払った外国の相続税に相当する税額は日本円に換算しなければなりません。この際に用いる換算レートは、外国税額の納付期限又は送金した日のTTS(電信売相場)となります。

 

具体的な計算例を見ていきましょう。

 

(計算例)

・被相続人
・相続人長男
・遺産額国内1億円、海外1億円
・相続税額(控除前)国内4,860万円、海外1,500万円

 

①外国税額控除額1,500万円≦2,430万円(=4,860万円×1億円/2億円)⇒1,500万円
②納付税額4,860万円-1,500万円=3,360万円

 

 

4. その他の税額控除

 

いかがでしたか。

ここでは「外国税額控除」の適用要件や具体的な計算方法について解説してきました。

 

相続税には7種類の税額控除が設けられていますので、「外国税額控除」以外の税額控除についても詳しく知りたい方は以下の記事をご参照下さい。

 

「贈与税額控除 ~相続税の税額控除①」

「配偶者控除 ~相続税の税額控除②」

「未成年者控除 ~相続税の基礎控除③」

「障害者控除 ~相続税の基礎控除④」

「相次相続控除 ~相続税の基礎控除⑤」

「相続時精算課税に係る贈与税額控除 ~相続税の基礎控除⑦」

 

(2021年4月26日更新)

 

 

 

 

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