相次相続控除 ~相続税の税額控除⑤~

10年以内に相次相続が発生した場合、一次相続で納めた相続税額の一部を控除出来る「相次相続控除」という制度があります。ここでは「相次相続控除」を使うための要件や具体的な計算方法についてわかりやすく解説していきます。

 

 

1. 制度の趣旨

 

短期間のうちに相次いで相続が発生した場合には、相続税の負担が著しく重くなってしまうため、負担を軽減する趣旨から相次相続控除の制度が設けられています。

 

 

2. 適用要件

 

相次相続控除の適用を受けるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

 

①相続人であること

民法上の相続人に限定されるため、相続放棄をした人や相続権がない人は相次相続控除の適用を受けることは出来ません。

 

②10年以内に発生した一次相続で二次相続の被相続人が財産を取得していること

 

③ ②で取得した財産に対して相続税が課税されていること

 

 

3. 控除額の計算方法

 

相次相続控除の控除額は以下の計算式により算出します。

 

C/(BA)×DC×(10E)/10

* C/(BA)が100100を超える時は100100として計算

 

A=今回の被相続人(二次相続の被相続人)が一次相続で課された相続税額

B=今回の被相続人(二次相続の被相続人)が一次相続で得た純資産価額

C=今回の相続、遺贈等で財産を取得した者の純資産価額の合計

D=今回の相続人の純資産価額

E=前回の相続(一次相続)から今回の相続(二次相続)までの期間(1年未満切捨て)

 

少し複雑な計算式にはなりますが、具体的な計算例を見ていきましょう。

 

(計算例)

・一次相続について発生日2016年4月20日
被相続人
相続人母、長男
遺産額5億円(母4億円、長男1億円)
相続税額母4,563万円、長男3,042万円
・二次相続について発生日2020年10月30日
被相続人
相続人長男
遺産額4億5,000万円
相続税額(控除前)1億6,500万円

 

①相次相続控除額4,563万円×100/100*×4億5,000万円/4億5,000万円×(10年-4年)/10年=2,738万円
* 4億5,000万円/(4億円-4,563万円)>100/100 ⇒100/100として計算
②納付税額1億6,500万円-2,738万円=1億3,762万円

 

 

4. その他の税額控除

 

いかがでしたか。

ここでは「相次相続控除」の適用要件や具体的な計算方法について解説してきました。

相続税には7種類の税額控除が設けられていますので、「相次相続控除」以外の税額控除についても詳しく知りたい方は以下の記事をご参照下さい。

 

「贈与税額控除 ~相続税の税額控除①」

「配偶者控除 ~相続税の税額控除②」

「未成年者控除 ~相続税の基礎控除③」

「障害者控除 ~相続税の基礎控除④」

「外国税額控除 ~相続税の基礎控除⑥」

「相続時精算課税に係る贈与税額控除 ~相続税の基礎控除⑦」

 

(2021年4月26日更新)

 

 

 

 

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